健康診断について

生徒の健康診断を実施することが学校教育法に定められています。健康診断を受けることは生徒の皆さんの健康の保持増進や保健管理に重要な意味があります。(毎日登校してくれるほうがいいですが)健康診断のある日は、なるべく学校を休まないようにしてください。

 

生徒の健康診断について

 1 身体測定

 

   バランスよく成長しているかを調べるため、身長と体重を計ります。測定値は身長と体重が正常に増えているこ

  との確認、やせや肥満の傾向を判定することに役立てています。

 

 2 脊柱(せきちゅう)、胸郭(きょうかく)、四肢(しし)の状態

   成長発達の過程にある生徒の脊柱、胸郭、四肢、骨、関節の病気や異常を早期に発見することにより、心身の成

  長と発達、生涯にわたる健康づくりに結び付けられます。

   学校医による視診、触診などで学業を行うのに支障があるような病気や異常が疑われる場合には、整形外科専門

  医への受診をお勧めします。

 

 3 視力検査

   学校生活に支障のない見え方であるかどうかを検査します。

 

判定 視力 備考(事後措置等)
A  1.0以上 視力は良好で、学校生活に影響はありません。
B  0.7~0.9 条件によって学校生活に影響があります。眼科受診をお勧めします。
C  0.3~0.6 教室後方からは黒板の字が見えにくいことがあります。
眼科受診をお勧めします。
D  0.2以下 教室の前列でも黒板の字が見えにくいです。眼科受診をお勧めします。 

4 聴力検査

  難聴は、学校における教育活動や生活に様々な影響を及ぼします。難聴の有無、その程度を検査するのが聴力検査

 であり、気付かれていない難聴を見付けたり、既に分かっている難聴を確かめたりする検査です。

 

5 色覚検査

   色覚検査は、現在、健康診断の必須項目ではありませんが、希望者は学校で検査をすることができます。本校で

  は定期健診として入学時に希望調査を取り、第1学年時に実施します。生徒が自身の色覚の特性を知らないまま、

  進学・就職などで不利益を受けることがないように、学校医による健康相談などにおいて必要に応じて個別に検査

  を行います。学校での検査はあくまでスクリーニングです。精査のために眼科を受診して専門医に診てもらうこと

  をお勧めします。

 

6 内科検診

  心臓の音や肺の音に異常はないか、栄養は摂(と)れているか、皮膚の病気はないか、貧血ではないか、背骨や胸の

 骨の形に異常はないかなどを調べます。

 

7 眼科検診

  まぶたやまつげ、結膜、角膜などの目や目の周囲に病気や異常がないか、斜視などの眼位異常がないかを調べま 

 す。

 

【学校における健康診断で対象となる主な眼科所見】

所見名 内容と説明
結膜炎 ・充血、流涙(りゅうるい)、痛み、目やになどの症状も強く、発熱やのどの痛みを伴うことがあ
ります。

アレルギー

性結膜炎

・目のかゆみ、充血、目やになどの症状の他に、まばたき、まぶしさ、視力低下などの症状があります。

がんけんえん

眼瞼炎

 ・目の周囲のただれ、かぶれ、かさつき、切れなどでかゆみや痛みを訴えます。

ないはんしょう

内反症

 ・さかさまつげのことです。

・異物感を訴えて、よく目をこすります。

・角膜(黒目)が傷付くことがあり、症状が強いときは手術が必要な場合もあります。

ばくりゅうしゅ

麦粒腫

・まぶたの急性の細菌感染です。

・ひどくなると、目の周囲に感染が広がっていくことがあります。

さんりゅうしゅ

霰粒腫

・まぶたの内側に油分がたまって腫れる病気です。

・麦粒腫と似ていますが、炎症が治まってもしこりが残ることが少なくありません。

眼位の異常  ・斜視(常にどちらかの目が斜めを向いている)と、斜位(通常は両目ともに正常であるが、視線を遮られた目が斜めを向く)に分類されます。
・眼鏡でもコンタクトレンズでも視力が出にくいこともあり、詳しい検査が必要です。

8 耳鼻科検診

  耳・鼻・喉の状態を見て病気や異常がないかを調べます。

 

【学校における健康診断で対象となる主な耳鼻科所見】

部位 病名 内容

じこうせんそく

耳垢栓塞

 

・鼓膜が見えない程度に耳垢がたまっています。

・鼓膜が見えないため、中耳炎などの病気が隠れていることがあります。

しんしゅつせい ちゅうじえん

滲出性中耳炎

・鼓膜の内側に水がたまって聞こえが悪くなる病気です。
慢性中耳炎  ・炎症を繰り返し鼓膜に穴が空いています。耳だれが続いたり、聞こえが悪くなったりします。
 鼻 アレルギー性鼻炎 ・ほこり、ダニ、花粉などの原因となる物質を吸い込むことで発症します。
・くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が見られます。

ふくびくうえん

副鼻腔炎

・顔の骨の空洞の部分(副鼻腔)に膿(うみ)や鼻水などの液体がたまり炎症を起こしている病気です。
 喉

へんとうえん

扁桃炎

・扁桃(喉にあるリンパ組織)が炎症を起こしている病気です。

 

9 歯科検診

  むし歯や歯肉炎がないか、歯並びやかみ合わせ、顎の関節の状態に異常はないか、歯垢(しこう)は残っていないか

 などについて調べます。

 

10 X線検査(結核検査)

  結核という病気の疑いがないかを調べるための検査です。学校定期健康診断における患者発見率は低下しています

 が、結核は依然として感染症法に規定されている集団感染を予防すべき主要な感染症の一つです。集団で生活する学

 校は、感染症が蔓延(まんえん)しやすい環境にあるため、健康診断での問診・検査の実施は結核予防対策として大き

 な意義があります。

 

11 心電図検査(心臓検診)

  「心疾患の早期発見をすること」や「心疾患のある生徒に適切な治療を受けるように指示すること」を目的に検査

 を実施します。また、日常的に適切な指導を行い、生徒のQOL(生活の質)を高め生涯を通じてできるだけ健康な

 生活を送ることを目指します。

 

 

12 尿検査

  慢性腎炎は初期には無症状で経過し、放置されると将来腎不全に移行することが知られており、学校検尿で早期に

 発見されることがあります。また、生活習慣の変化に伴う若年者2型糖尿病の発症も報告され、尿糖検査により早期

 の糖尿病の発見につながります。これらの病気を早期発見し、適切な治療と管理を受けさせ、将来の疾病の重症化を

 予防するための検査です。

 

健康診断の結果について

 各検診終了時に健康診断結果を生徒へ配付しています。また、検診の中で所見が見られた生徒には、受診を勧めるお知らせも配付しています。学校生活を支障なく送るためにも、所見が見られたら早めに専門の医療機関を受診してください。

 なお、学校で行う健康診断は「スクリーニング」といって、疾病や異常の疑いがある人をふるい分けるものです。確定診断ではないため、専門医による診察や詳しい検査の結果、「異常なし」と診断される場合もあることを、あらかじめ御了承ください。

 病気や異常が見付かった場合は、早期治療につなげることが大切です。また、学校生活で何か配慮が必要な場合は対応させていただきますので、受診後は、その結果を学校に提出することも忘れないようにお願いします。